漢方薬とは・・・

漢方薬と西洋薬との大きな違い 
西洋薬は、おもに一時的に抑える物が多く、たとえば高血圧には、血圧を下げる血圧降下薬を、糖尿病には、血糖値を下げる血糖降下薬を使います。
これらの薬は、病気を根本から治すのではなく症状を抑えるだけですから、飲むのをやめれば血圧や血糖は上がり元に戻ってしまいます。
しかし、漢方薬は症状を抑えるのではなく、身体を根本から改善し、身体を正常な体質に戻すのを目的にします。
具体的には、血圧が高くなったり、血糖値が上ったりするには何か理由があるわけです。
すなわち、身体の【ゆがみ】です。この【ゆがみ】が体質を変え病気になっていくのです。
漢方薬は、この【ゆがみ】を整え自然治癒力を上げることにより、健康な身体へと改善していきます。また、この【ゆがみ】は同じ病気でも、個人個人ではまったく違います。
ですから、同じ病気でも、個人個人違う漢方薬を使うのです。
 漢方薬と民間薬の違い
漢方薬は、何種類かの生薬を組み合わせて、東洋医学の理論体系の上に成り立った処方に従い調合されます。【葛根湯など】
民間薬は、生薬単品で使われることが多く、古くから口づて的な方法で使用されています。【ドクダミなど】
民間薬の中にもよく効く物もありますが、漢方薬の方が一人一人に対してオーダーメイドで調合する為、より効率よく効果が発揮されます。
※どちらにせよ、専門の薬局などで良く相談して使用することをおすすめします。

漢方薬の選び方

漢方薬を選ぶにあたり知っておかないといけない理論があります。
この理論を理解せずに漢方薬を選ぶと、病気が治らないばかりでなく、悪化することさえありますので注意が必要です。
それでは、順を追って漢方医学の基本的理論を説明していきましょう。
 
 
漢方医学の基本理論 
 【陰陽理論と気血水理論】

陰陽理論とは、明るいもの、上にあるもの、積極的なもの、強いものが陽であり、暗いもの、下にあるもの、消極的なもの、弱いものが陰だという考え方である。自然界すべてのものが、あまり陽に傾き過ぎてもいけないし、あまり陰に傾き過ぎてもいけないのである。すなわち、
  陰に傾き過ぎている場合は、陽の薬を
  陽に傾き過ぎている場合は、陰の薬を
与え、バランスをとることが、漢方医学の基本原則である。

気血水理論とは、身体を循環して生命を維持しているものとして、血(陰)に対して気(陽)を考えたのである。換言すれば、肉体的・器質的なものが血に対して、精神的・機能的なものが気である。
さらに、血を血液と体液(水)に分け気血水としたのである。
そして、気、血、水が滞りなく循環していれば健康であるが、不足したり滞ったりすると疾病になるというのが気血水理論である。
陰陽理論による証の考え方 
 【証】とは、体質的なものと症状的なものとを合わせて、その人がその時点で現している体況。(現時点での体質といってもいいでしょう。)

【表・裏ー病気の部位についての区別】
陽の部位とは日のあたる部位であり、陰の部位とは日のあたらない部位である。人はもともと四足動物であるから、背中は陽、胸と腹は陰、後に人は直立したから顔や頭も陽とした。すなわち上が陽、下が陰、背中が陽、腹面が陰であり、身体の内部臓器は陰、外が陽である。
この場合には、陰を裏と呼び、陽を表と呼ぶようになった。

【熱・寒ー病気の性状についての区別】
熱証とは、顔色が赤く、興奮的で熱状を帯びる人。
寒証とは、顔色が青白く、沈衰的で手足の冷えるような人。
熱証のタイプの人は、感染症にかかると高い熱が出、身体がほてり、発疹が出る場合も赤い大きな発疹がでるし、痰も濃い痰が出る。
寒証のタイプの人は、感染症にかかって熱が出ても、寒気を強く感ずる事が多く、発疹も色が薄く、痰が出る場合も薄い痰のことが多い。
このように同じ病気にかかっても、熱証の人と寒証の人では症状の出方が違うのである。

【実・虚ー病勢についての区別】
実証とは、筋骨たくましく頑丈な人で、病気と激しく戦う人。
虚証とは、筋骨薄弱な虚弱体質の人で、病気に対する抵抗力にとぼしく、いつまでも治りにくい人。
気血水の概念
とは、元気がない、気分がすぐれないなど、目には見えない生体エネルギーみたいなものです。気が滞ると、欝症状などが現れ種々の症状に影響を与える。
病は気からというように現代のストレス社会において非常に重要である。
とは、血の流れであり、滞ったり(お血)不足したり(血虚)すると各臓器への血流が不足するため、漢方治療上欠くことのできない指標である。
とは、血液以外の体液の流れで、局所の停滞はむくみであり、水毒である。
すなわち、気、血、水が不足したり、滞りなくすることが、漢方薬の役割である。
漢方薬を選ぶには、上記のように漢方独特の【証】の見方があります。
自分がどの証に当てはまるかをじっくり観察しなければなりません。
表、裏、熱、寒、実、虚、どの体質にあてはまるか?
また、気、血、水のどこに異常があるか?
判断しなくてはなりません。これが解ればその証にあった漢方薬を選べば良いわけで、各漢方処方には、どの証に合うか薬性が必ずありますので自分に合った漢方薬を見つけてください。
また、他にも指標がありますので自分がどの証か判らない人は、専門家に見てもらいましょう。


お勧め品

お知らせ